熱中症の連絡体制と対応手順の書き方
熱中症のおそれのある作業をする事業者は、2025年6月1日から、熱中症を報告させる体制(連絡体制)と、症状の悪化を防ぐ措置の手順を、あらかじめ決めて作業者に周知することが義務になりました(労働安全衛生規則第612条の2)。このテンプレートは、その報告先と搬送先、厚生労働省のフロー図の例のとおりの手順を、1枚の掲示にします。用紙の上で、報告先の氏名と電話、搬送先の医療機関、休ませる場所などを書き込みます。
| 欄 | 記入内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 現場名 | 掲示する現場や作業場の名前。手順は、作業場ごとに決めます | サンプルビル 空調設備更新工事 |
| 責任者 | 熱中症のおそれがあるときに報告を受ける人(現場の責任者など)の氏名と、すぐにつながる電話 | 山田 太郎・090-0000-0001 |
| 代理 | 責任者がいないとき・つながらないときに報告を受ける人 | 佐藤 次郎・090-0000-0002 |
| 会社 | 現場から知らせる、会社(事業場)の担当と電話 | 工事部 鈴木・03-0000-0000 |
| 医療機関・所在地 | 搬送先の医療機関の名称・電話・所在地 | サンプル総合病院・03-0000-1111・東京都○○区○○2-3-4 |
| 休ませる場所 | 作業から離して休ませる、涼しい場所 | 1階 休憩所(冷房あり) |
| 冷やす物 | 体を冷やす物と、その置き場所 | 休憩所の冷凍庫(保冷剤・氷) |
| 作成日・事業者名 | 掲示を作った日と、事業者の名前 | 2026年6月1日・株式会社サンプル設備 |
書き方のポイント
- 電話は、作業のあいだにすぐつながる番号(携帯電話など)を書きます。早朝や夜間の作業があれば、その時間につながる番号にします。
- 搬送先の医療機関は、現場から近い所を前もって調べ、所在地も書きます(通達で、搬送先の連絡先と所在地も手順に書くことが望ましいとされています)。
- いくつもの会社が同じ現場で作業するときは、共同で1つの緊急連絡先を決めて、作業者の見やすい場所に掲示することも考えられます(通達)。
- 休ませる場所と冷やす物は、作業者がすぐに分かるように、具体的な場所で書きます。
- 報告先の人や医療機関が替わったら、作り直して貼り替えます。作成日を入れておくと、いつの掲示かが分かります。
対応の手順(フロー図)について
用紙の「2 熱中症のおそれのある人への対応の手順」は、厚生労働省のリーフレット「職場における熱中症対策の強化について」(PDF)のフロー図①の箱と分かれ目の字のままです。熱中症のおそれのある人を見つけたら、作業から離して体を冷やし(作業離脱、身体冷却)、意識の異常等があれば救急隊を要請して医療機関へ搬送します。異常等がなければ、自力で水分をとれるかを見て、とれなければ医療機関へ搬送し、とれれば経過を観察します。回復しない・症状が悪化したときも、医療機関へ搬送します。
- 「意識の有無」だけで判断せず、返事がおかしい・ぼーっとしている など、普段と様子がおかしいときも「異常等あり」として扱うことが適当とされています。
- 判断に迷う場合は、安易な判断は避け、#7119等を活用するなど、専門機関や医療機関に相談し専門家の指示を仰ぐこととされています。
- 医療機関までの搬送の間や経過観察中は、一人にしません(単独作業の場合は常に連絡できる状態を維持する)。
- リーフレットには、見つけたらすぐに医療機関へ搬送する形(フロー図②)もあります。その形にするときは、左の列で「意識の異常等」から「経過観察」までの行を外し、「医療機関への搬送」の箱を残します。
フロー図は「あくまでも参考例であり、現場の実情にあった内容にしましょう」とされています。現場の決まりに合わせて、箱の字を直して使えます。このテンプレートは、症状の見分け方や手当ての方法を決める物ではありません。症状の見分けと手当ては、医療機関や専門家の指示に従ってください。
掲示のしかた
体制と手順の周知は、事業場の見やすい箇所への掲示・メールの送付・文書の配布・朝礼での伝達などのどれでもよく、必要に応じて組み合わせるとされています(通達)。掲示は、休憩所・詰所・朝礼の場所など、作業者がいつも見る所に貼ります。朝礼で読み合わせると、新しく入った人にも伝わります。屋外に貼るときは、ラミネートをかけるか、クリアケースに入れると、雨や日差しで字が読めなくなりません。大きく貼るときは、「用紙設定」でA3にします(字も同じ割合で大きくなります)。
法令の決まりと出典
- 報告の体制:「事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に従事する作業従事者が熱中症の自覚症状を有する場合又は当該作業に従事する作業従事者に熱中症が生じた疑いがあることを当該作業に従事する他の作業従事者が発見した場合にその旨の報告をさせる体制を整備し、当該作業に従事する作業従事者に対し、当該体制を周知させなければならない。」(労働安全衛生規則第612条の2第1項)
- 悪化を防ぐ措置と手順:「事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに、当該作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせることその他熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置の内容及びその実施に関する手順を定め、当該作業に従事する作業従事者に対し、当該措置の内容及びその実施に関する手順を周知させなければならない。」(同 第612条の2第2項)
- 施行:第612条の2は、令和7年厚生労働省令第57号(PDF)(2025年4月15日公布)で足され、2025年6月1日に施行されました。はじめの条文は「当該作業に従事する者」で、2026年4月1日施行の令和8年厚生労働省令第3号で「作業従事者」の言い方になりました。「作業従事者」は、令和7年法律第33号による改正後の労働安全衛生法 第15条第1項に定める者です(「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(PDF)の第1の1)。
- 対象の作業:「暑熱な場所」は、暑さ指数(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所で、そこで継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業が対象です(施行通達 基発0520第6号(PDF))。
- 体制と手順に入れること:作業場の責任者等、報告を受ける者の連絡先と連絡方法を定めて明示すること。緊急連絡網と、搬送先となる医療機関の連絡先(所在地を含む)を定めたときは、手順例等に書くことが望ましいこと(同じ通達)。
- 周知の方法:事業場の見やすい箇所への掲示・メールの送付・文書の配布・朝礼における伝達等の口頭のどれでもよく、必要に応じて組み合わせること(同じ通達)。
- 違反したとき:第612条の2は労働安全衛生法第22条に基づく規定で、違反は同法第119条により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(同法第122条で、法人にも罰金)。
- 手順の例:厚生労働省のリーフレット「職場における熱中症対策の強化について」(PDF)の「熱中症のおそれのある者に対する処置の例」フロー図①・②。2026年3月18日には、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(PDF)が出され(基発0318第1号)、前の「職場における熱中症予防基本対策要綱」(基発0420第3号)は廃止されました。
- 確かめた版:2026年11月7日に、e-Gov法令検索(労働安全衛生規則は2026年10月1日施行の版)と、厚生労働省の省令・通達・リーフレット・ガイドラインで確かめました。
くわしい使い方
部品とブロック
左の列の「+ 追加」から入れます。ブロックは、よく使う部品の組み合わせで、入れたあとも中の部品を自由に直せます。
| 部品 | 使いどころ |
|---|---|
| テキスト | 題・名前・会社名・見出し・注意書き。字を空にすると、書き込む欄(Excelで記入するマス)になります |
| ボックス | 部品を横か縦に並べる入れ物。枠・塗り・余白・間隔を付けられ、ボックスの中にボックスも入れられます |
| 表 | 作業内容・点検項目・部品の一覧。列の名前・幅・種類と、行の数を変えられます |
| 写真の枠 | 作業前・作業後の写真。用紙の上で押すと、写真を貼れます |
| チェック | □良 □否 のような、選ぶ印 |
| 画像 | 会社のロゴ・印影・図 |
| 線・改ページ | 区切りの線と、2枚目へ送る所 |
| ブロック | 記入欄・日付・記入欄(複数行)・写真・写真2枚・押印の枠・選択肢・見出し・会社の情報・宛名・点検の表・合計の欄 |
| カスタム | ボックスの設定の「ブロックとして保存」で残した、自分のブロック(無料会員)。どのテンプレートにも入れられます |
主な操作
| 操作 | やり方 |
|---|---|
| 欄を足す | 左の列のいちばん下の「+ 追加」。ボックスの中に足すときは、そのボックスを開いて、中の「+ 追加」 |
| 欄を外す | 行の右の ×(確かめが出ます)。外しても「元に戻す」で戻せます |
| 並べ替える・ボックスに入れる | 行の左のつまみ(⋮⋮)をつかんで動かします。閉じたボックスの行の右半分に落とすと、その中へ入ります。スマホは、つまみに指を置いたまま動かします |
| いくつかをまとめて囲む | Shiftを押しながら、左の行か右の用紙の部品を押して選びに足し、⌘G(Ctrl+G)で1つのボックスに。複製・切り取り・外すも、まとめてできます |
| 別のボックスへ移す | ⌘X(Ctrl+X)で切り取り、移す先を選んで⌘V(Ctrl+V)。選んだ部品のすぐ下に入ります(中を開いたボックスを選んでいれば、その中の終わりに) |
| 設定を変える | 左の行か、右の用紙の欄を押すと、その部品の設定が開きます |
| 横に並べる | 部品をボックスに入れ、ボックスの「並べ方」を「横」にします |
| 幅を変える | 設定の「幅」で、最大(残りいっぱい)・指定(mm)・自動(字に合わせる)。横に並んだ欄の境目は、用紙の上でつまんでも変えられます |
| 字を変える | 右の用紙の上で、そのまま書きます。大きさ・太字・寄せ・飾り(下線・枠・左に帯・塗り)は設定で |
| よく使う形を残す | ボックスの設定の「ブロックとして保存」。中の部品とロゴなどの画像ごと残り、「+ 追加」の「カスタム」から入れられます(無料会員) |
| 枠や線を付ける | ボックスの「枠・塗り」と「枠の辺」(全部・上下・下だけ・左右)と「線」(太さ・点線)。区切りには「線」の部品 |
| 写真を貼る | 右の用紙の写真の枠を押します(写真は送らず、このページの中だけで扱います) |
| 表に、まとめて入れる | Excelから何行かをコピーして、表のマスに貼り付けます |
| 用紙を変える | 頭の帯の「用紙設定」で、大きさ(A4・A3・B5)・向き・余白・間隔 |
| 作成する | 「Excel作成」で記入して使うExcelのひな形に、「PDF作成」で印刷して手で書く用紙に |
キー
| 操作 | Mac | Windows |
|---|---|---|
| 外側のボックス(1つ上の段)を選ぶ | Esc | Esc |
| 選んだ部品(いくつかでも)を、ボックスで囲む | ⌘+G | Ctrl+G |
| ボックスの囲みを外す | ⇧+⌘+G | Ctrl+Shift+G |
| 部品を選びに足す | ⇧+クリック | Shift+クリック |
| 選んだ部品を複製する | ⌘+D | Ctrl+D |
| 選んだ部品をコピー・切り取り | ⌘+C・⌘+X | Ctrl+C・Ctrl+X |
| 選んだ所に貼り付け | ⌘+V | Ctrl+V |
| 選んだ部品を外す(確かめが出ます) | Delete | Delete |
| 元に戻す | ⌘+Z | Ctrl+Z |
業種ごとの使いどころ
よくある質問
- 熱中症の掲示は、義務ですか?
- 義務なのは、報告の体制を整えて作業者に周知することと、作業場ごとに悪化を防ぐ措置の内容と手順を決めて周知することです(労働安全衛生規則 第612条の2)。周知の方法は、掲示のほか、メール・文書の配布・朝礼での伝達でもよいとされています。掲示は、いつでも見られるので、いざというときに確かめやすい方法です。
- どんな作業が対象ですか?
- 暑さ指数(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業です(施行通達 基発0520第6号)。屋外の工事だけでなく、機械室や天井裏など、屋内の暑い場所の作業も当たることがあります。
- 現場ごとに作りますか?
- 措置の内容と手順は「作業場ごとに」決めることになっています(第612条の2第2項)。報告先・搬送先の医療機関・休ませる場所は現場で違うので、現場名を書いて、現場ごとに作ります。会員は「設定保存」で残しておくと、次の現場で直して使えます。
- 違反すると、罰則はありますか?
- 第612条の2は労働安全衛生法第22条に基づく規定で、違反は同法第119条により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(同法第122条で、法人にも罰金)。
- 同じ現場で、いくつもの会社が作業するときは?
- 施行通達では、各事業者が共同して1つの緊急連絡先を決め、作業者の見やすい場所に掲示することなどが考えられるとされています。元請の会社がまとめて作り、現場の掲示板に貼る形にできます。
- 手順の箱を、現場に合わせて直せますか?
- 直せます。箱の字は、用紙の上でそのまま書き換えられます。行は、左の列の × で外せます。フロー図は「あくまでも参考例であり、現場の実情にあった内容にしましょう」とされています。
- A3で作れますか?
- 作れます。頭の帯の「用紙設定」でA3を選ぶと、字の大きさも同じ割合で大きくなり、A4をそのまま大きくした形になります。
- エクセルで直せますか?
- 直せます。「Excel作成」で、字を直して使えるファイルになります。報告先と医療機関の欄は、1マスずつ打てます。欄や字を自社の書式に合わせて直したファイルも、自社の業務や取引先のために、自由に使えます。
- 手書きで使えますか?
- 使えます。空欄のまま「PDF作成」で印刷すれば、書き込む所に手で書けます。記入例の下のボタンからも、空のExcelとPDFをダウンロードできます。
- 何回でも作れますか?
- 登録なしのフリーは月10回、無料会員(登録は無料)は月30回、プロは回数の上限なしです。「Excel作成」も「PDF作成」も1回と数え、ほかのテンプレートの作成と合わせて数えます。
1報告先を書く
2搬送先と手順の場所を書く
3Excel・PDFで作成




